赤ちゃんの夜泣き・泣き止まない主な理由
泣き止まない主な理由
- 空腹
- 眠い
- おむつ汚れなどの不快や痛み
- 中耳炎などの炎症や鼻づまり
これは見逃さないで!
ターニケット症候群(tourniquet syn.)
tourniquetとは駆血・止血の意味です。指が何かに挟まれて、血流が悪くなり、浮腫んだり赤黒くなってしまいます。最悪の場合皮膚の壊死を起こします。
おもちゃ(笛状になっている)やナットなどで生じやすいです。抜けなくなったらすぐに救急外来を受診してください。(当院では対応しかねます)
おもちゃでは見たらすぐにわかりますが、パパママの髪の毛1本でも同様のことが生じる可能性があります。手足全ての指や耳・陰茎をしっかりと確認する様にしてください。
夜泣き
生後半年頃から夜間突然泣き出す現象です。毎晩毎晩続くこともあります。
赤ちゃんや高齢者では一般的にノンレム睡眠(深い睡眠)よりもレム睡眠(浅い睡眠)の時間が長いと言われています。体の体内時計機能の未熟や変化が原因にあります。
夜泣きを確実に抑える方法は残念ながらありません。
『源氏物語絵巻』「横笛」段の「赤子の夜泣きをあやす」に夜泣きをあやす場面が出てきます。
江戸初期の『苅萱』には「夜泣きする子は七浦七里枯るる」つまり「夜泣きする子どもは出て行け」という文があり、当時から子育て世代への風当たりが強かったものと考えられます。
小さな子供に夜泣き・癇癪やひきつけなどを起こす症状を「疳の虫が騒いでいる」状態と考えられ、「虫封じ」の目的で占いや針治療をしていたそうです。日本各地に虫封じの神社も存在しています。
全く泣き止まない赤ちゃん、アパートなら隣の住民から壁越しにどんどん叩かれたり、『うるさい!』と怒鳴られる経緯はあるかと思います。(私は良くありました)
ミルクも飲まない・飲んでもすぐに泣く・吐く・おむつ変えても泣き止まない・揺さぶられても泣きやない。さらには近隣から壁を叩く音・怒鳴られる音で親はすっかりパニック。
子を揺さぶりすぎて揺さぶり症候群を疑われてしまう。近隣から警察を呼び出してしまうこともあります。思わず救急要請!救急車の中ですやすや寝ている赤ちゃん。救急外来で家族が「全然泣き止まないんです!」担当医「いや、寝てるじゃん・・」結局何もない!で返されてしまいます。
なので原因がなく夜間泣き止まなければ是非、ベビーカーで外へ連れ出すか、余裕があれば車でドライブしてみてください。ほとんどの場合、泣きつかれと振動の心地よさで寝てくれます。それでもなかなか泣き止まないこともありますが・・・
何しても寝てくれず、おんぶ紐をしながらいつの間にかフローリングの上で一緒に寝落ちしていたこともあります。
夜泣きの治療は?
基本的に治療法はありません。
睡眠リズムを整えるなど生活習慣の見直しが大事です。
東洋医学では気の流れを司る「肝気」が関与していると考えられています。症状に応じて漢方抑肝散・⽢⻨大棗湯・小建中湯などの漢方を使うこともあります。