小児の夏風邪の代表選手であるヘルパンギーナ・手足口病が全国的に大流行しています。当院でも今年は3月あたりから見られ7月現在も毎日のように見受けられます。
幸い重症化することはごく稀で、学校保健安全法では出席停止の義務はありません。2010年に入ってから2年ごとの流行を繰り返していましたが、2024年は新型コロナ後パンデミックな流行となっています。この数年コロナで大規模な流行がなかったのも一因にあると思います。
今年は特に子から親へと移ってしまうケースが非常に多いように思います。
原因となるウイルスはエンテロウイルス群コクサッキーウイルスです。型が合えば同時感染つまりヘルパンギーナになってから手足口病になるやその逆・ほぼ同時期のダブル感染がありえます。エンテロウイルスV71型は脳炎などの合併症報告があります。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナに罹ると、おおよそ1日で熱は下がることが多いですが、
突然の40度前後の発熱(大体熱出て1時間以内になる印象があります。その間に小さいお子さんは熱性痙攣も多くなります。)大人もこうなります。
喉の水疱があり喉が痛い。
小さい子はよだれが多くなる
といった特徴的な症状があります。



手足口病
熱はあっても微熱
何もしなくて良い軽症から二次感染(飛び火)で抗生剤使用する例まで様々。7日くらいで改善される。
手先にひどくなると爪が剥がれることもよくある。(コクサッキーウイルスA 16タイプ)
ヘルパンギーナに移行することもある。
などの特徴があります。








出席停止の義務はなく、症状はすぐに回復傾向に向かうことが多いので、発熱がなければ、手足のぶつぶつがあっても登校は基本的には可能です。あまりにもぶつぶつが多い場合やプールの行事ある場合は、登校を避けた方が良い場合もあります。
細かいことを言えば症状が治っても約1ヶ月は便中にウイルスが排出されるため感染力があり、流行防止目的での幼稚園などでの出席停止はあまり効果がありません。
唾液・鼻汁・便・水泡の中の液体を介して感染するため手洗いを心がけることが大切になってきます。