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2020.12.22

中学生になったら子宮頸がんワクチンを!

最近このような葉書が届きました。

子宮頸がんワクチンの定期予防接種についてのお知らせ(ハガキ)

子宮頸がんワクチンってなんですか?
まだ公費接種(無料)で間に合いますか?

という問い合わせが来るようになりました。

小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(概要版)

小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ (概要版)リーフレット(概要版)

小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)

小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ (詳細版)リーフレット(詳細版)

HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ

HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へリーフレット(受けた後版)。

※上記画像をクリックして頂けましたら、PDF展開します。
※引用元:厚生労働省・ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~ 

子宮頸癌は年間1万人が罹患し年間2800人が亡くなっています。子宮頸癌は発症年齢が20-40代と若く妊娠や出産にも影響します。
子宮頸癌の95%はヒトパピローマウイルス(HPV)が原因になっています。
HPV自体はありふれたウイルスであり、性交渉経験のある男女の50-80%にすでに罹患していると考えられています。
そのうち一部女性にHPVによる細胞の異常(ガン化)が起こります。
その中でも特にHPV16型.HPV18型はガン化の進行が早いと言われています。
HPVワクチン接種でHPV16型.HPV18型の感染を防ぐ可能性が高くなります。
HPV6.HPV11は主に尖形コンジローマ感染の原因になります。

日本で承認されているワクチンは以下です。

日本での定期接種は2020年現在はサーバリックス・ガーダシルの2種です。 公費対象:小学校6年生(年度始め4月1日)から高校1年生(年度末3月31日)
海外ではすでに9つの型のHPVワクチンが公費接種されています。

  サーバリックス ガーダシル シルガード9
HPVの種類 2 4 9
予防するHPV 16.18 16.18
6 .11(尖形コンジローマ)
16.18.31.33.45.52.58
6.11(尖形コンジローマ)
接種時期 1回目:中1
2回目:初回の1ヶ月後
3回目:初回の6ヶ月後
1回目:中1
2回目:初回の2ヶ月後
3回目:初回の6ヶ月後
1回目:中1
2回目:初回の2ヶ月後
3回目:初回の6ヶ月後
公費・自費 公費 公費 自費(2023年4月より公費予定)

米国・オーストラリア・イギリス・北欧では積極的に取り組んでおりHPV感染やガン病変の発生が優位に低下しています。 しかし、医療分野で発展途上の日本では増加傾向にあります。各国の子宮頸がん死亡率(年齢調整)の推移文献:https://www.asahi.com/articles/SDI201904041618.html

HPVワクチンは日本で2010年に公費助成になり2013年4月より定期接種化されましたが、失神や持続的な痛み・運動障害が出たという報告が多くなり わずか2ヶ月後の2013年6月、厚生労働省はHPVワクチン接種の積極的推奨の一時中止を決定しました。 定期接種が始まった当初は接種率70%でしたが、近年は1%以下にまで下がってきてしまいました。 その結果接種率の高い世代では、HPV感染や、子宮頸がんリスクの低下を認めていますが、それ以降の世代では、接種前の世代と同程度に戻っています。 HPVワクチン推奨中止から7年経ちますが、いまだHPVワクチン接種後の慢性疼痛などの因果関係の説明がないままです。

HPVワクチン接種後の副作用について

HPVワクチンは筋肉注射であるため、90%以上の方に痛みや腫れなどの局所症状が生じると言われています。

接種後の失神

10代にワクチン接種をする場合、どんなワクチンでも迷走神経反射による失神が起こる可能性はあります。 迷走神経反射は、注射の痛みや恐怖、不安の精神的動揺で自律神経系が刺激され全身の血管床が拡張するため脳血流低下が起こり、一過性に血圧や心拍数が低下し、倒れたりふらっとなったり、気分が悪くなったりする生理現象です。失神後転倒などを防ぐため接種後30分は背もたれのある椅子に座っていただく様お願いします。

複合性局所疼痛症候群(CRPS)や運動障害などの報告について

HPVワクチン接種後に激し痛み、痺れ、脱力が長く続くという報告が多く出されています。
世界中のデータを元に評価したWHOでは、HPVワクチンの安全性を謳われています。 日本の研究でもHPVワクチンの安全性が証明されています。
いわゆる名古屋スタディです。 名古屋市民7万人を対象にしたアンケートで、3万人のデータ解析を行った結果ワクチン接種した人としていない人で特定の症状に差が見られないという結論が得られました。 2015年2月に、ワクチンと症状との因果関係は認められないという以下の論文が出されました。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2405852117300708
しかし、講義を受け名古屋市HPから削除されています。

どんなワクチンにも有効性と有害事象(副反応)は存在します。
HPVワクチンは世界的に推奨されており、ワクチンと「子宮頸がん検診」を受けることでHPVの罹患率の低下、子宮頸がんの低下につながっています。
日本小児科学会・産婦人科学会などはHPVワクチンと 検診を強く推奨する声明を幾度も発表していますが、いまだに厚生労働省は慎重なようです。
2021年に日本に認可予定のシルガード9ですが、定期接種化にはまだまだ時間がかかりそうです。 さらに日本では「子宮頸がん検診」の受診率が低いことが問題になっています。
女性の子宮頸がん検診受診割合(20-69歳)※厚生労働省 https://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/campaign_2019/outline/low.htmlより引用

1日でも早い風評被害の払拭を願い、子宮頸がんワクチンの摂取率向上と、HPVウイルス・子宮頸がん罹患率の低下を祈るばかりです。