療育|吃音(どもり)の症状や治し方

療育とは

療育とは元々は肢体不自由児に限定して使われる言葉でしたが、近年全ての障害のあるお子さんに広く使われる様になりました。
療育という言葉や概念は時代とともに変化していますので、現在では明確な定義はありません。
大まかには障害のあるお子さんの発達を促し、自立できる様に支援するプログラムと考えていただければ良いと思います。

障害者手帳は必要なの?

療育を受けるために、療育手帳や精神障害者福祉手帳は必須ではありません。
障害者手帳がなくても療育は可能です。

当院で行える療育は言語聴覚療法のみになります

言語聴覚療法(ST)ついて

言語聴覚療法(ST)とは言葉の遅れや、滑舌の問題、吃音など構音障害のあるお子さんが対象となります。
具体的な内容としては、言葉の理解や表出の発達を促進するために聞き取りや発音の練習を行い、コミュニケーションを支援します。

構音障害とは・・・?

構音障害とは・・・?言葉を話していても話の内容が伝わりにくかったり、相手が話している人の音に不自然さを感じてしまい、コミュニケーションに支障をきたすことがあります。
このような状態を構音障害と言います。

構音とは・・・

言語を作る過程の1つであり、言語音を作る過程には「発声」「共鳴」「構音」があります。
発声は、肺から送られた呼気が声帯の間を通過するときに、声帯を振動させて音声を生じることで、呼気の強さや声帯を含めた咽頭の構えを調整することで、声の高さや強さを変えることができます。
共鳴とは、喉頭から口腔、鼻腔までの共鳴腔を変化させて音声にそれぞれの特徴を与えることです。
構音とは、喉頭から口唇・鼻腔までの呼気の通路の形を変えたり、途中に挟めや閉鎖を作ったりすることで出された音声に様々な変化を与えて、それぞれの言語音にすることです。

構音のメカニズム

喉頭で作られた音声を言語音にする過程には共鳴を構音があります。
共鳴とは、喉頭から口唇までの管(共鳴腔)の形を変化させて喉頭で発生された音声にそれぞれの特徴を与えて母音(あ・い・う・え・お)を区別したり、鼻咽腔閉鎖機能(口腔と鼻腔の間を閉鎖させる機能)によって、鼻音と非鼻音を区別したりします。

例えば

母音(あ・い・う・え・お)は舌や口形を変えることによって共鳴腔を変化させて作られます。
子音は口唇や舌などによって口腔の一部を閉鎖して空気の流れを止め、それを一気に解放することによって破裂の音(ば・ぱ・か・が・た・だ・さ・ざ)を、また狭めを作ってそこを気流が通過する時の音により摩擦の音(さ・ざ・つ・ち)が作られます。その後に後続母音を作って音節にしています。

音の種類からみると・・・

破裂音・摩擦音・破擦音・弾音・鼻音などがあります。また、声帯振動を伴うかどうかで有声音と無声音に分けることができます。
さらに構音器官のどの部分が働いて、どの部分で音が作られるかによっても音の特徴が生じます。この音が作られる場所を構音位置(構音点)と言い、構音位置(構音点)によって、口唇音・歯茎音・口蓋音・声門音などに分類されます。

構音器官とその構音時の役割

言語音が作られる過程に関わる器官を構音器官(喉頭(声帯)から口唇・鼻腔まで)と言います。
可動部分(動くところ):口唇・舌・軟口蓋・下顎・咽頭・喉頭
非可動部分(動かないところ):歯・歯茎・硬口蓋・鼻腔

  1. 喉頭
    音声を作る器官。喉頭を調整させることで声の高さ(ピッチ)や強さの調整・有声音と無声音の区別などが行われています。肺からの呼気により声帯が振動して音声が発生されますが、声の高い・低いの出し分けは声帯の長さを調整することで行われます。
    有声音においては、声帯振動が行われますが、無声音の場合には声帯は振動しません。声の大きさは呼気の強さによって調整されています。
  2. 咽頭
    上咽頭・中咽頭・下咽頭からなりますが、構音器官として一番重要な役割は「鼻咽腔閉鎖機能」です。
    発生・嚥下・ブローイングなどの時に軟口蓋と咽頭後壁や咽頭側壁により鼻咽腔を閉鎖して鼻腔と口腔を遮断します。
  3. 口蓋
    軟口蓋と硬口蓋があり、鼻腔と口腔を分ける隔壁となっています。
    構音時には軟口蓋が後上方に挙上し、咽頭後壁・咽頭側壁とともに鼻腔を閉鎖しますが、鼻音生産時には軟口蓋は下がり、音に鼻腔共鳴を与えます。
    また舌背が軟口蓋につくことで軟口蓋音を作ります。
    硬口蓋は舌とともに硬口蓋音高を作ります。

  4. 舌の形態を変化させるとともに、下顎の開閉によって口腔の形を変えて共鳴腔
    を変化させて母音の(あ・い・う・え・お)を区別します。
    また舌を歯・歯茎・硬口蓋・軟口蓋などに接近する・または接することによって破裂音・摩擦音などの子音を作ります。
  5. 口唇
    口唇は閉じた後に息を軽く出したり、破裂させるように強く出したりすることで口唇音を作ります。
    また口唇の開き具合によって母音の違いをはっきりとさせます。

  6. 下顎の運動によって口の開閉が調節され、それぞれの母音の特徴を明らかにします。

このように構音器官にはそれぞれの役割がありますが、これらは個々に動くのではなく、お互いに協調しながら動いて様々な音を作っています。

提供:国立がん研究センター がん情報サービス

言語発達遅滞とは・・・?

言語発達遅滞とは・・・?言語発達遅滞は、聴覚障害、知的機能障害、特定の脳機能障害、対人障害などで引き起こされますが、これらのいくつかの障害を併せもっている場合も多いです。
言語環境も大きく影響します。
女子よりの男子に多いです。

言語発達遅滞を引き起こす様々な要因

  1. 聴覚障害
    難聴:音声言語を耳から正しく学べないために、構音だけでなく、全般的な言語発達が遅れます。

  2. 知的機能の障害

    言語は、象徴機能、カテゴリー化の能力、手段-目的関係の理解などの種々の認知機能の発達の結果獲得することができます。これらの認知能力が正常に発達しなければ、言語発達にも問題が生じます。

    精神発達遅滞による言語発達遅滞
    精神発達遅滞の診断基準

    • IQ(DQ)が70未満
    • 通常の社会環境に適応する能力が低い
    • 障害が18歳未満の発達期に明らかになる

    ダウン症のような染色体異常、脳性麻痺のような周産期障害、フェニルケトン尿症などの代謝異常などの病気によっても引き起こされるが原因不明の場合が最も多いです。
    正常な発達順序をたどるものの、発達は遅く、しかも限界があります。
    象徴機能などの認知能力の発達不良のために言語発達が遅れます。

    ダウン症に起こる言語発達遅滞
    • 言語発達の遅れ以外に、難聴、嗄声、構音障害、吃音などの言語障害が起こりやすいです。
    • 特に、難聴は40%程度で高率でみられます。
    • 視力障害、心疾患、筋緊張の低下など、身体面での障害も多いです。自閉症を合併することあります。
    • 指さしなどの話しことば以外の伝達行動の発達も遅く、言語の理解・表出は不十分で、文法も正確ではありません。長い単語が言いづらく、「三輪車」を「いんしゃ」、「葉っぱ」を「ぱ」など部分的な発話で表現することがあります。発話明瞭度も低いです。
    • コミュニケーション態度は、保たれており、ジェスチャーなどの身振りは良好です。

    脳性麻痺による言語発達遅滞
    • 脳性麻痺にも精神発達遅滞が合併します。
    • 運動障害のために、物を操作できないことから事物の概念化が遅れたり、難聴、視覚障害などのさまざまな障害のために学習が困難であるなど、多くのこどもが言語発達の遅れや偏りをきたす要因を複数抱えています 。
  3. 特定の脳機能障害

    発達には脳の生理学的な成熟が必要です。ある特定の能力だけ獲得しづらいという発達障害が起こることがありますが、原因は明らかにされていません。

    学習障害

    ある特定の領域の高次脳機能障害が通常のように成熟していかないため、機能の獲得がスムーズにいきません。また、行動面の障害を伴うことが多いです。

    • 特定の領域の脳機能の発達が知的発達に比べてはなはだしく遅れます。
    • 話し言葉や書き言葉だけでなく、数概念や計算などの数処理、描画や工作などの構成能力などの獲得が障害される場合もあります。
    • 注意集中困難、多動性、衝動性、不器用、状況理解が困難など、なんらかの行動面の問題を併せもつ場合も多いです。
    • 高次脳機能障害によるものと考えられています。

    特異的言語発達遅滞

    全体的な発達に比べ、言語発達だけが遅れます。

    • 脳の器質的障害が明らかでないにもかかわらず、知的発達、社会性の発達、運動発達などに比べ、言語の発達だけが特異的に遅れます。
    • 言語の理解面、表出面両方に問題がみられますが、表出面の障害のほうがより重篤です。
    • 言語発達に関与する高次脳機能障害の発達の遅れが原因と考えられており、遺伝的要因も指摘されています。
  4. 対人関係の障害

    • 人の顔をじっと見つめる。人に向かって声を出す。自分の興味のあるものに相手の注意を引く(共同注意)など、子どもは幼い時から人に対する強い志向性をもっています。
      このような社会的な相互交渉の態度がなければ、コミュニケーションは成り立ちません。このような相互交渉能力が障害された状態が“自閉”です。
    • 自閉性障害を特徴とする症状は、“広汎性発達障害”あるいは“自閉症スペクトラム障害”などと一括してよばれることがあります。

    自閉症
    • 1943年にアメリカの精神科医カナー(Kanner,L.)が最初に報告した“古典的自閉症”“カナー型自閉症”ともよばれます。
    • 3歳未満から視線を合わせようとしない、相手に関心を示さないなどの対人関係の著しい障害や特定の物や行動、手順にこだわる、常同的な行動をとるなどの固執性が明らかとなります。
    • 半数以上に精神発達遅滞を合併し、言語発達の遅れ、相手の言ったことをオウム返しにする“反響言語”のような器質的な異常をきたします。
    高機能自閉症
    • 自閉症の中で、知的機能が高い場合をいいます。
    • 計算やジグソーパズルが得意だったり、車の年式を記憶しているなどの特出した能力を示します。また、固執性もみられます。

    アスペルガー症候群
    • 1994年にオーストラリアの小児科医アスペルガー(Asperger,H.)によって報告されました。
      “アスペルガー型自閉症”、“アスペルガー障害”などともよばれます。
    • 知的能力は、保たれ言語発達も良好なタイプではありますが、興味や活動が特定のものに偏り、常同的で対人関係に障害が現れます。著しく不器用であることが多いです。
    • 8対1で男児に多いです。

吃音とは・・・?

吃音とは言葉がなかなか出なかったり、最初の音に繰り返しが起こったりで流暢に離せない症状を指します。
原因はいろいろ言われていますが、ざっくり言うと脳の障害です。

症状

音節や語句の繰り返し、引き延ばし、途切れ、話す速度の変更、言い直しなど様々です。
異常呼吸・あえぎ・手足で反動をつけることも多いです。
症状の進行の具合に合わせ、第1~第4までの期間があると考えられているようです。(あくまで教科書なので実際とは異なると思います。)

第1層

ああああたし、ぼぼぼぼく(連発)、あーーーーーたし(伸展)
自覚はない。話すことへの恐れや不安はない

第2層

ああああたし(連発)、あーーーたし(伸展) に加え
・・・・(無言 この間はかなり詰まっている口に力が入っている)あたし(やっと言えた!心の声)(俗に言うブロック)
話しにくい際に反動をつけるようになる
自分でどもっていることがわかっている

第3層

どもりそうになったら、言葉を変えてみたり、自分なりに言いやすい言葉を探す。どもりであることにイライラし始める

第4層

極力発表はしない。話すときに緊張よりも先にどもってしまったらどうしようと言う観念から、口が固まって発語がスムーズにいかない。

吃っていない方々へ。

えっ? もう一回言って は禁忌です!
急速な学校や幼稚園の理解が必要です。自分の周りに吃音者がいないと殆どと言ってなかなか理解してもらえません。どもっても問題ないよと言う寛大な対応が必要です。

吃音症(どもり)序論に関する動画紹介

吃音(どもり)各論①に関する動画紹介

時間

1コマ30分前後です。

  1. 9:00-9:40
  2. 9:45-10:25
  3. 10:30-11:10
  4. 11:15-11:55
  5. 12:00-12:40
  6. 12:45-13:25
  7. 13:30-14:10
  8. 14:15-14:55

実施期間

頻度は医師の診察の元で決定します。

対象年齢

3~6歳
*当院で行う療育は医療型児童発達支援となります。
*現在は個別療育のみを行います。

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TEL:06-6499-1000TEL:06-6499-1000 WEB予約WEB予約 オンライン診療オンライン診療
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