お子さんの皮膚に異常が見られたとき、お母さん、お父さんは心配ですよね。
一時的な肌荒れということもありますが、何らかの病気が原因ということもあります。
ご不安なときは、お気軽にご相談ください。
子供の体にぶつぶつができた
ぶつぶつが部分的であり、他に症状がない場合には、ご自宅でしばらく様子を見てくださって結構です。
ただその間、ぶつぶつやお子さんの身体の様子をよく観察してあげてください。以下のような変化が現れた場合には、当院にご相談ください。
- ぶつぶつの範囲が広がった、他の場所にも現れた
- ぶつぶつの状態が悪化した
- かゆみ、発熱、舌の赤み、頬の赤み、水ぶくれ、その他全身症状が現れた
早急な受診が必要なケース
ぶつぶつの症状に加えて、以下のような症状・状態が見られるケースでは、早急な受診、夜間であれば救急外来の受診をおすすめします。
- ぐったりしている
- 呼吸困難を起こしている
- 強い腹痛がある
- 嘔吐を繰り返す
- 鼻血が出て止まらない
- 関節が腫れている
- 身体をかきむしるほどのかゆみがある
- 膝から下の紫色の斑点
乳幼児湿疹
乳児湿疹
生後2週~3カ月頃によく見られる、眉、額、首、頭皮に起こりやすい乳児特有の湿疹です。
顔にできるブツブツ(新生児挫創:赤ちゃんにきび)も特徴です。
赤いポツポツとしたもの、引っかいて化膿したもの、かさぶたのようなものと、その現れ方はさまざまです。
汗疹(あせも)
乳児期に見られる赤いぶつぶつです。赤ちゃんは大人に比べて汗をかきやすいため、汗疹も起こりやすくなります。赤いぶつぶつではなく、小さな水疱となって現れることもあります。
アトピー性皮膚炎
赤み、かゆみの強い湿疹を伴います。アレルギーが関与すると言われてますが、正確なことはわかっていません。生後2~3カ月頃から発症するケースがよく見られます。最初は頭や顔からの湿疹皮膚炎から始まり、その後徐々に全身に広がっていきます。
伝染性膿痂疹(とびひ)
0~6歳のお子さんに起こりやすい湿疹です。特に高温多湿を迎える5~6月に発症するケースが多いようです。
皮膚の赤み、腫れ、水ぶくれ、ジュクジュクといった症状を伴います。
擦り傷・切り傷、湿疹、虫刺されの痕などから細菌が入り込んで発症します。アトピー性皮膚炎など、皮膚の抵抗力が低下している場合には感染・発症のリスクが高まります。
伝染性軟属腫(水いぼ)
ウイルスが毛穴や傷から入り込んで感染・増殖し、いぼとなる病気です。
赤み、かゆみはなく、水が詰まっているような光沢のある1~5ミリ程度のいぼができます。少しずつ大きくなりますが、1センチ以上になることは稀です。ほとんどが1年以内に自然治癒します。通常は特別な治療は必要ありませんが、他の皮膚の病気との鑑別のため、医師による診断を受けておきましょう。小学校中学年までにはほとんどが自然治癒します。
プールの水を介しての感染のリスクは低いとされています。ただ、タオル、ビート板、遊具などの物の共有は避けるようにしてください。
基本的に当院では経過観察をしますが、服の擦れなどによる生活に支障が出る痛みを伴う場合は、ピンセット除去術を行います。その際は痛くないように痛み止めのテープを使用します。
水痘(みずぼうそう)
水痘・帯状疱疹ウイルスが、唾液や発疹から染み出る体液などを介して感染します。非常に感染力が高く、学校や幼稚園で集団生活を送る子供がかかりやすい病気としてよく知られています。
全身の発疹、かゆみなどが、多くは顔や頭部から現れてその後全身へと広がっていきます。最初は赤いぶつぶつから始まりますが、徐々に水ぶくれ、かさぶたと変化していくのも大きな特徴です。
おむつかぶれ
おむつの着用によって、お尻の赤い湿疹、ただれなどが起こっている状態です。
最初は赤みのある湿疹程度ですが、悪化するとお尻が真っ赤になり、お尻を拭くときに痛がって泣くこともあります。
尿や便をしたまま長くおむつを外さないでいたり、下痢が続いているときなどに特に起こりやすくなります。
おしりふきでゴシゴシ拭くことで余計に皮膚状態の悪化を招きますので、できる限りシャワーなどでお尻を洗うようにしてください。ペットボトルを使った洗浄法を進めています。
赤ちゃんお尻拭きに関する動画
子供の体を洗う時に気をつけよう
お子さんの身体、こんなふうに洗っていませんか?
タオルでゴシゴシ洗う
目の粗いタオルで強く擦ると、お子さんの肌が傷つきます。
お湯だけで洗う
雑菌、汚れをしっかりと落とすことができません。
固形石鹸を直接肌に当てて擦る
泡立ててから素手で洗ってあげることで、洗浄力が高まります。お肌の状態のチェックにもなります。
皮膚が弱いお子さんは、なるべく素手で洗ってあげてください
タオル、スポンジなどは、摩擦が大きく肌を傷つけてしまうことがあります。ごくごく小さな傷ですが、雑菌が入ったり、炎症を起こすことがあります。
特にアトピー性皮膚炎などの皮膚の病気・症状がある場合には、できる限り、お母さん、お父さんの素手を使って身体を洗ってあげてください。
固形石鹸の泡立て方
固形石鹸を使いたいけれど、泡立ちにくいな、ということはありませんか?
固形石鹸も、泡立てネットを使用することでふわふわに泡立てることができます。洗浄力も高まりますので、ぜひお試しください。
- 固形石鹸と泡立てネットを用意します。
- 泡立てネットをお湯で濡らします。
- 泡立てネットで固形石鹸を包むようにして、揉んで泡立てます。
- ホイップクリーム状になるまで泡立てたら、泡を手に取ってお子さんの身体を洗ってあげてください。
お子さんの身体の洗い方
- 石鹸を十分に泡立てましょう。
- 爪を立てず、指の腹を使って、首から下の全身に泡を伸ばしていきます。強く擦る必要はありません。
- そのまま、顔も洗ってあげてください。お子さんには目をつぶってもらい、目のまわりも洗います。
- 最後に、ぬるめのシャワーで泡をきれいに洗い流してください。
※お風呂からあがってすぐに保湿剤を使うことで、保湿効果が長く続きます。入浴後5分以内が特に効果的です。