夏風邪とは?
夏風邪とは、プール熱(咽頭結膜熱)、ヘルパンギーナ、手足口病といった、梅雨から夏にかけてお子様がかかりやすい病気の総称です。
この3つの夏風邪は、夏の三大感染症と言われています。
夏風邪の症状は?
- 喉の痛み
- 発熱
- 発疹
- 腹痛
- 下痢
など。
代表的な夏風邪(プール熱・ヘルパンギーナ・手足口病)
夏風邪の種類 | 原因となるウイルス | 流行月 | 発症しやすい年齢 | 潜伏期間 |
---|---|---|---|---|
プール熱(咽頭結膜熱) | アデノウイルス | 7~9月 | 3~6歳 | 5~7日 |
ヘルパンギーナ | エンテロウイルス属コクサッキーウイルス等 | 6~8月 | 1~4歳 | 2~4日 |
手足口病 | エンテロウイルス属コクサッキーウイルス等 | 5~9月 | 1~5歳 | 3~5日 |
プール熱(咽頭結膜熱)
咽頭結膜熱は、プールでの感染が多いため“プール熱”とも呼ばれます。汚染されたプールの水が結膜に入ったり、タオルを共用するなどして感染します。
流行は7~9月ではありますが、近年は夏以外の季節でもかかってしまうお子様がおられます。
プール熱(咽頭結膜熱)にかかると・・・
高熱(39℃以上)、喉の痛み・強い赤み・腫れが見られます。また、目の症状も強く現れます。真っ赤に充血して、痛みを感じたり、眩しさに過敏になったりします。通常、片方の目から症状が始まり、その後もう片方の目にも発症します。
これらの症状が、3~5日ほど続きます。腹痛・吐き気・嘔吐などは見られません。
治療・予防方法は?
発熱、喉の痛み・赤み・腫れに対する対症療法が主となります。目の症状が強く現れている場合には、その治療も必要です。
予防法としては、プールの前後のシャワー・洗眼の徹底、タオルを共用しないこと、小まめな手洗い・うがいが重要になります。
いつから登園・登校できるの?
症状が消え、2日が経過するまでは登園・登校できません。(出席停止)
ヘルパンギーナ
ウイルスを原因とする喉の炎症で、代表的な子供の夏風邪です。
発熱、喉の水疱が主な症状です。
ヘルパンギーナにかかると・・・
急な発熱、口の中の天井の奥側の赤い水疱が主な症状です。水疱が破れると、唾液や食べ物を飲み込めないほど強い痛みを感じるようになります。
発熱は3日ほど続きます。
治療・予防方法は?
症状を和らげる対症療法が基本となります。発熱と喉の痛みから食欲も低下しますが、水分は積極的に摂取して脱水症状にならないように注意しましょう。
予防法としては、感染者と接触しないこと、小まめな手洗い・うがいが重要になります。
いつから登園・登校できるの?
症状がなくなっても、長期間にわたってウイルスが体内に残ることがあります。お子様の状態、医師との相談の上で登園・登校を再開します。
手足口病
その名の通り、手、足、口に水疱ができる病気です。
流行りやすいのは4歳くらいまでですが、小学校でも流行することがあります。
手足口病にかかると・・・
手のひら、足の裏、口の中に小さな水疱ができます。(手の甲、足の甲にできることもあります)
加えて、発熱、下痢などが起こることもあります。
特に口の中の水疱は、潰れてしまうとしみるようになり、食事が難しくなります。
治療・予防方法は?
自然に治癒することがほとんどです。その間、水分を小まめにとって脱水症状を防ぎましょう。またごく稀ではありますが、髄膜炎、脳炎を引き起こすとこもあります。
予防法としては、感染者と接触しないこと、小まめな手洗い・うがいが重要になります。
いつから登園・登校できるの?
水疱が残っていても、発熱など他の症状が治まっているようでしたら、登園・登校は可能です。お子様の状態、医師との相談の上で登園・登校を再開します。
親御さんが自宅で出来る対処法
回復を早めたり、お子様の心と身体を楽にしてあげられる看護のポイントをご紹介します。
発熱があるとき
発熱があるときは、脱水症状が起こりやすくなります。喉が渇いていないうちに、小まめに水分を摂らせてあげてください。
寒気があるとき
布団の厚さや枚数を調整して、寒くない程度に身体を温めてあげてください。
服を何枚も着るのは、熱がこもってしまい逆効果になることがあります。同じ理由で、布団もかけすぎないようにしましょう。
寒気がないとき
身体を拭く、水分を摂取するなどして、体温を下げてあげましょう。
食欲が低下しているとき
病気だからといって、無理にたくさん食べさせる必要はありません。消化の良いもの、栄養バランスの良いものを無理なく食べるようにしましょう。
特に口の中や喉が痛いときは、薄味のスープ、ゼリー、フルーツ、プリンなど、口当たりの優しいものが良いでしょう。
お風呂について
体温が38℃以下で、元気な様子であれば、湯船に浸かっていただいても構いません。ただし、長湯はしないでください。シャワーでも良いでしょう。
再感染予防のために
お子様からご家族に感染し、お子様が回復してきたころに再感染することがあります。
誰かが病気になったら、ご家族揃って感染予防に取り組みましょう。もちろん、普段からの予防の意識も大切です。手洗い、うがいを習慣にしましょう。